脊柱管狭窄症の症例概要
来訪者
今回ご紹介するのは、大和市下鶴間にお住まいの70歳女性で、下腿から足部にかけて感じる痛みや重だるさによって歩くことが負担になり、みやがわ整骨院へ来院された方です。以前のように気軽に外を歩くことが難しくなっており、特に日常生活のなかで移動する際に下肢の状態が気になるとのことでした。
年齢とともに筋力や関節の動きには変化が生じやすくなりますが、年齢だけを理由に考えるのではなく、姿勢や筋肉の柔軟性、関節可動域などを含めて現在の体の状態を確認することが重要です。そのため、今回も症状が出ている下腿や足部だけを見るのではなく、立った姿勢や歩行時の体の使い方まで確認しながら、負担につながっている要素を整理していきました。
症状
主な症状は、下腿から足部にかけての痛みと下肢全体に感じる重だるさで、特に歩行時に痛みが出るため、長く歩くことに不安を感じているという状態でした。一方で、脊柱管狭窄症でみられることのある痺れについては来院時には感じておらず、痛みとだるさが生活上の大きな悩みになっていたとのこと。
歩行時に下肢の痛みが生じる場合には、腰部だけでなく股関節や骨盤、下肢の筋肉、姿勢など複数の要素が関係していることもあるため、痛みの場所だけから原因を決めつけないことが大切になります。実際に今回の状態でも、立位姿勢や歩き方を確認すると体全体のバランスに特徴がみられたため、局所だけではなく全身を確認する必要があると考えました。
来院時の状態
初回来院時には、下肢の重だるさに加えて歩行時痛がみられ、姿勢を確認すると「スウェーバック」と呼ばれる姿勢の特徴も確認できました。スウェーバックとは、骨盤や体幹の位置関係が崩れ、上半身が後方へ移動したような立ち方になる姿勢であり、腰や股関節、下肢などに負担が偏ることがあります。
加えて、筋肉の柔軟性や関節の動きにも低下がみられたため、歩く際に必要な動きを一部の部位だけで補っている可能性についても確認していきました。そのため、下腿から足部にかけての痛みだけを対象にするのではなく、姿勢や関節の動き、筋力、バランス能力まで含めて状態を把握することが必要なケースでした。
改善目標
患者様が最も希望されていたのは、「近所を散歩できるようになりたい」という日常生活に直結した目標です。単にその場で下肢の痛みを軽減させることだけではなく、歩行時の負担を減らしながら、自分の足で外出できる状態を目指すことが今回の大切な目的になりました。
散歩は体を動かす機会になるだけでなく、買い物や外出など生活範囲にも関係するため、歩くことへの不安が大きくなると日常の活動そのものが減ってしまう場合があります。こうしたことから、みやがわ整骨院では「痛みがどう変化したか」だけで判断せず、実際に歩ける距離や日常生活でできることがどのように変化しているかについても確認しながら進める方針としました。
初回の状態と確認したこと
来院時の症状
初回は、下腿から足部にかけての歩行時痛と下肢の重だるさが中心で、立っているだけの状態よりも歩く動作によって負担を感じやすくなっていました。ただし痺れは認められなかったため、脊柱管狭窄症という情報だけにとらわれず、現在どのような動作で症状が出るのかを確認することから始めています。
具体的には、立位での姿勢と歩行時の体の使い方を比較し、腰部や骨盤だけではなく股関節、膝、足部が連動して動けているかを確認しました。その結果、姿勢の崩れに加えて下肢の筋力や柔軟性にも低下がみられ、歩行時に必要となる体の支持や動きが十分に発揮しづらい状態が考えられました。
状態のチェック内容
初回は病態検査と整体検査を行ったうえで、姿勢の歪み、関節の可動域、筋力、バランスなどを確認し、下肢に負担が集中する背景を一つずつ整理しています。病態検査では現在の症状の特徴や動作との関係を確認し、整体検査では姿勢や体の動きなどを確認することで、施術を進めるうえで必要な情報を集めました。
特に姿勢ではスウェーバックがみられたため、骨盤と上半身の位置関係だけではなく、その姿勢のまま立ったときに下肢へどのように体重がかかっているかも確認しています。あわせて可動域テストでは関節がどこまで無理なく動くのか、筋力テストでは歩行を支える力がどの程度発揮できているのかを調べ、症状のある部位以外にも目を向けました。
さらに、歩行には筋力だけでなく体を安定させるバランス能力も必要になるため、立位での安定性についても確認しています。このように複数の検査を組み合わせることで、一つの結果だけを根拠にするのではなく、患者様の現在の体の特徴を総合的に捉えていきました。
検査の所見
検査では、筋肉の柔軟性低下、関節可動域の低下、筋力低下、姿勢不良、バランス能力の低下が確認され、歩行時に下肢へ負担が集中しやすい状態がみられました。なかでも一つの部位だけに問題があるというより、複数の要素が重なって歩行時の動きに影響していると考えられる状態だったため、全身のバランスを考えながら施術を組み立てる必要がありました。
関節の動きが小さくなれば、本来その関節が担う動作を周囲の部位で補いやすくなり、筋力が低下している場合には歩行時に体を支える負担も変化します。一方で、これらの所見がすべて下腿から足部の痛みを直接引き起こしていると断定することはできないため、施術後の変化や歩行時の反応を継続的に確認しながら進めることとしました。
脊柱管狭窄症へのアプローチ方法
提案した改善方法
今回の脊柱管狭窄症へのアプローチでは、筋肉だけをほぐすのではなく、筋肉と骨格へのアプローチに加え、神経へのアプローチ、生活指導、ストレッチ指導、心理面にも配慮した声かけを組み合わせました。初回検査で筋肉の柔軟性低下や関節可動域の低下、筋力低下、姿勢不良、バランス能力の低下が確認されていたため、それぞれを切り離して考えず、歩行という一つの動作につなげていくことを重視しています。
筋肉や関節に対しては動きやすさを引き出すことを目的としながら、姿勢についてはスウェーバックによる体重のかかり方にも着目しました。同時に、ご自宅でも体の状態を整えていけるようストレッチや生活習慣について伝え、患者様自身が無理のない範囲で取り組める内容を選択しています。
アプローチの回数と頻度
施術は週2回の頻度を基本とし、1回あたり約30分を目安として体の状態を確認しながら進めました。歩行時の痛みや重だるさがある状態では、その日の症状だけで施術内容を固定するのではなく、前回来院時からの変化や日常生活で歩いた際の反応なども確認したうえで内容を調整する必要があります。
そこで毎回、下肢の痛みやだるさの程度だけではなく、歩いたときの感覚や体の動かしやすさについても確認し、施術による変化が日常生活へつながっているかを見ていきました。週2回という一定の間隔で状態を追うことで、小さな変化も把握しながら次のアプローチへ反映させる流れとしています。
期待される改善内容
施術を進めるうえでは、下腿から足部にかけての痛みや重だるさの軽減だけではなく、歩行時に体を支えやすくなり、患者様が希望していた散歩へつなげていくことを目標としました。筋肉の柔軟性や関節の動き、筋力、姿勢、バランス能力は歩行と関係する要素であるため、それぞれの状態を確認しながら負担の少ない体の使い方を目指していくことになります。
とはいえ、脊柱管狭窄症の状態や症状の現れ方には個人差があるため、あらかじめ変化の時期や程度を断定するのではなく、その都度の反応を確認しながら進めることが重要です。患者様にもこの点を共有し、「散歩ができるようになりたい」という具体的な目標を軸にしながら、段階的に歩行時の負担を減らしていく方針としました。
施術内容と経過
施術の詳細
実際の施術では、初回検査で確認した筋肉の柔軟性低下や関節可動域の低下に対して筋・骨格へのアプローチを行い、体を動かす際の負担が一部分へ集中しない状態を目指しました。特にスウェーバック姿勢では、骨盤と体幹の位置関係によって下肢への荷重が偏ることがあるため、症状が出ている下腿や足部だけに施術を集中させず、全身のつながりを考えながら進めています。
神経へのアプローチについても、強い刺激を加えることを目的とするのではなく、動作時の反応を確認しながら無理のない範囲で取り入れました。加えて、筋力低下やバランス能力の低下もみられていたことから、施術を受けるだけではなく、日常生活のなかで体を動かす機会を保つことも大切であるとお伝えしています。
生活指導では姿勢や普段の体の使い方を見直し、ご自宅で継続できるストレッチについても具体的に説明しました。特に70歳という年齢を考慮し、無理に運動量を増やすのではなく、その時点での歩行状態や体調に合わせて負荷を調整しながら、継続しやすい方法を選ぶようにしています。
患者様の反応
初回の施術後には体の反応を確認し、その後も週2回のペースで施術を継続しながら、歩行時痛や下肢の重だるさがどのように変化するかを追っていきました。施術直後だけの感覚で判断するのではなく、帰宅後や次回来院までの日常生活でどの程度歩けたかを確認することで、実生活のなかでの変化を把握するようにしています。
その後、回数を重ねるにつれて下肢の痛みや重だるさに変化がみられるようになり、8回目を迎えた頃には歩行時に感じていた痛みの軽減が確認できました。そこで施術内容を急激に変更するのではなく、体の状態を確認しながら筋・骨格、神経へのアプローチとセルフケアを継続し、歩行への不安を減らしていけるよう進めています。
患者様自身も日常生活での変化を感じられるようになり、当初の目標だった散歩を意識しながら取り組める段階へ移っていきました。症状の変化だけではなく、「外を歩いてみよう」と思えることも生活を取り戻していくうえでは重要であり、心理面にも配慮しながら前向きに取り組めるようサポートしました。
経過の確認
施術開始当初は下腿から足部にかけての痛みと重だるさがあり、特に歩行時に症状が出ることで、近所への散歩にも不安を感じている状態でした。しかし、週2回、1回約30分の施術を継続し、筋肉や骨格、神経へのアプローチに加えてストレッチや生活習慣の見直しを進めたところ、8回目頃には歩行時痛の軽減が確認されています。
その後も歩行時の状態を確認しながら施術を継続したことで、下肢の痛みだけでなく重だるさについても軽減がみられ、日常生活のなかで歩ける場面が少しずつ増えていきました。特に、単に院内で動きやすくなったかどうかを見るだけではなく、実際の生活のなかで散歩や買い物へ行けるかを確認することで、患者様が目標としていた生活に近づいているかを判断しています。
最終的には、当初希望されていた近所への散歩に出かけられるようになり、買い物にも行けるようになったとのことでした。歩行時の痛みや下肢の重だるさによって外出を控えていた状態から、日常の行動範囲が広がったことは、今回の経過を確認するうえで大きな変化になります。
一方で、症状が軽減した後も筋力や柔軟性、姿勢、バランス能力を維持していくことは大切であるため、今後もこれまでお伝えしたストレッチや健康







