椅子に座ると腰が痛い原因とは?
「立っていると平気なのに、椅子に座ると腰が痛い」という場合、原因を一つに決めつけることはできません。座っている時間や姿勢、骨盤の傾き、腰まわりの筋肉、股関節の動きなど、いくつかの要素が関係すると言われています。特にデスクワークが長い方は、普段どのように座っているかを振り返ってみることが大切です。
長時間座り続けることで腰に負担がかかる
「朝は平気なのに、夕方になると腰がつらい」ということはありませんか。厚生労働省では、椅子に座った同一姿勢を長時間続けることは腰痛の発生要因の一つとされ、長時間の座位作業では適宜立つことが勧められています。ずっと座りっぱなしにせず、ときどき姿勢を変えることを意識してみましょう。
引用元:厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_31158.html
猫背や前かがみなど姿勢が崩れている
パソコンをのぞき込んでいるうちに、「いつの間にか前かがみになっていた」という方もいるでしょう。前屈などの不自然な姿勢は、腰への負担に関係すると言われています。ただし、猫背だけが腰痛の原因とは限りません。姿勢を一つの形に固定するより、長時間同じ姿勢にならないようにすることも大切です。
引用元:中央労働災害防止協会 https://www.jisha.or.jp/research/pdf/201502_02.pdf
骨盤が後ろに傾いて腰への負担が増えている
椅子に浅く座って背中を丸めると、骨盤が後ろへ傾きやすくなります。座った姿勢では骨盤の傾きや腰椎のカーブが変化し、腰まわりの負担にも影響する可能性があると言われています。「座るとだんだん腰が重くなる」という方は、骨盤だけを無理に起こすのではなく、椅子の高さや座る位置も確認してみてください。
引用元:BMJ Open https://bmjopen.bmj.com/content/15/6/e091206
腰やお尻まわりの筋肉がこわばっている
長時間ほとんど動かずに座っていると、「腰やお尻がガチガチ」と感じることがありますよね。腰痛は一つの原因だけで起こるとは限らず、さまざまな要素が複合的に関係すると考えられています。そのため、筋肉の硬さだけに原因を決めつけず、仕事中の姿勢や休憩の取り方、普段の活動量なども含めて考えることが重要です。
引用元:日本整形外科学会 https://www.joa.or.jp/public/sick/body/waist.html
股関節の動きが悪く腰が負担を受けやすくなっている
「腰が痛いのに股関節も関係するの?」と思うかもしれません。腰痛の評価に関する研究では、股関節の動きや骨盤の動きなども調べられています。一方で、股関節の硬さだけで腰痛の原因を説明できるわけではありません。腰だけに目を向けず、立ち上がりや前屈など体全体の動きを確認することも一つの考え方です。
引用元:British Journal of Sports Medicine https://bjsm.bmj.com/content/59/21/1515
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椅子に座ると腰が痛いときに考えられる病気・症状
「姿勢が悪いだけかな」と思っていても、椅子に座ると腰が痛い状態が続く場合には、腰の病気や神経の影響が隠れていることもあります。痛み方だけで原因を判断するのは難しいため、腰以外にどんな症状が出ているのかも確認しておきましょう。
腰椎椎間板ヘルニア
腰椎椎間板ヘルニアでは、腰やお尻の痛みに加えて、脚に痛みやしびれが出る場合があると言われています。椎間板の一部が突出し、神経を圧迫することで症状につながることがあります。「座っていると腰だけでなく脚までつらくなる」という場合は、姿勢だけの問題と決めつけないことが大切です。
引用元:日本整形外科学会 https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/lumbar_disc_herniation.html
坐骨神経痛
「腰からお尻、脚にかけて痛い」という場合に耳にすることが多いのが坐骨神経痛です。坐骨神経痛では、腰からお尻、脚へと続く神経に沿って痛みが広がり、しびれや筋力低下を伴うこともあると言われています。原因には腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などがあり、坐骨神経痛そのものが一つの病名とは限りません。
引用元:MSDマニュアル家庭版 https://www.msdmanuals.com/ja-jp/home
腰部脊柱管狭窄症
腰部脊柱管狭窄症では、神経が通る脊柱管などが狭くなることで、お尻や脚の痛み、しびれなどが現れると言われています。ただし、特徴として歩行や立位で症状が出やすく、前かがみや座位では軽くなるケースが多いとされています。そのため「座ると腰が痛い=脊柱管狭窄症」とは言い切れません。
引用元:Mindsガイドラインライブラリ https://minds.jcqhc.or.jp/summary/c00646/
筋肉や筋膜などが関係する腰痛
「長く座ったあとだけ腰が重い」「動き始めると少し楽になる」と感じる方もいるでしょう。腰痛にはさまざまな原因があり、画像検査だけでは原因を特定できないケースもあると言われています。腰やお尻周辺の筋肉への負担も考えられるため、痛む場所だけで判断せず、姿勢や動作、日常生活の状況まで確認することが大切です。
引用元:日本腰痛学会 https://www.jslsd.jp/
お尻や脚の痛み・しびれを伴う場合は原因を確認することが大切
「腰だけだと思っていたら、最近は脚もしびれる」という場合は注意が必要です。腰の神経が影響を受けると、脚の痛みやしびれ、筋力低下などが現れる場合があると言われています。特に症状が続く、脚に力が入りにくい、排尿・排便に異常があるといった場合は、自己判断を続けず医療機関で状態を確認してもらうことが重要です。
引用元:日本赤十字社医療センター https://www.med.jrc.or.jp/
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腰が痛くなりやすい座り方と正しい椅子の座り方
「椅子に座ると腰が痛いけれど、どう座ればいいの?」と迷いますよね。腰への負担を考えると、無理に胸を張り続けるより、椅子や机を体格に合わせ、同じ姿勢を長時間続けないことが大切だと言われています。
椅子に浅く腰掛けて背中を丸める
浅く腰掛けて背中を丸める座り方では、骨盤が後ろへ傾きやすく、腰椎のカーブも変化すると言われています。座位姿勢を調べた研究でも、骨盤を後傾させた座り方では腰部の組織への負担が変化する可能性が示されています。「気づくとお尻が前にずれている」という方は、座る位置から見直してみましょう。
引用元:日本理学療法士協会 https://www.jstage.jst.go.jp/article/cjpt/2014/0/2014_1374/
足を組んだり片側に体重をかけたりする
「足を組むと落ち着く」という方もいるでしょう。ただ、一つの座り方を長く続けるより、姿勢を適宜変えることが腰への負担を考えるうえで大切だと言われています。特に左右どちらかに偏った姿勢が習慣になっている場合は、足を組むことだけを悪者にせず、同じ姿勢を続けていないか確認してみてください。
引用元:厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tb9484&dataType=1
腰を反らせすぎた姿勢を続ける
「背筋を伸ばせば伸ばすほど正しい」と考えて、腰を強く反らせていませんか。腰痛の出方は姿勢によって異なり、慢性腰痛の方を対象とした研究でも、腰を前後に動かした際の痛みには姿勢による違いがみられています。無理に腰を反らせ続けるのではなく、痛みの出にくい自然な位置を探すことが大切です。
引用元:日本理学療法学術大会 https://www.jstage.jst.go.jp/article/cjpt/2015/0/2015_0239/
椅子に深く座って足裏を床につける
では、どんな座り方がよいのでしょうか。腰掛け作業では、椅子に深く腰を掛けて背もたれで体を支え、足裏全体が床につく姿勢を基本にするとされています。足が床に届かない場合は、椅子の高さを調整したり足台を使ったりする方法もあります。「正しい姿勢を頑張って維持する」というより、楽に支えられる環境をつくるイメージです。
引用元:厚生労働省「職場における腰痛予防対策指針」 https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tb9484
椅子・机・パソコン画面の高さを体に合わせる
座り方だけでなく、作業環境にも目を向けてみましょう。デスクワークでは椅子の高さだけを変えるのではなく、キーボードやマウス、ディスプレイの位置を総合的に調整することが大切だと言われています。画面を見るために毎回前のめりになるなら、姿勢より先に机や画面の位置を見直したほうがよい場合もあります。
引用元:厚生労働省「在宅ワークの適正な実施のためのガイドライン」 https://www.mhlw.go.jp/www2/topics/seido/josei/zaitaku/aramashi.htm
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椅子に座ると腰が痛いときに自分でできる対処法
「座っていると腰がつらいけれど、仕事だから座らないわけにもいかない」という方も多いですよね。そんなときは、ずっと同じ姿勢で我慢するのではなく、こまめに体を動かしたり、作業環境を調整したりする方法があります。ただし、腰痛の原因や状態は人によって異なるため、痛みを我慢して無理に動かさないことも大切です。
同じ姿勢を続けず定期的に立ち上がる
デスクワークに集中すると、1〜2時間ほとんど動かないこともありますよね。日本理学療法士協会では、長時間座る場合のセルフケアとして、1時間に1回は立ち上がり、首や肩、腰を軽く動かす方法が紹介されています。(japanpt.or.jp) 「腰が痛くなってから動く」のではなく、仕事の区切りで立つ習慣をつくるのもよいと言われています。
引用元:日本理学療法士協会 https://www.japanpt.or.jp/about_pt/therapy/tools/enjoyyourlife/enjoyyourlife_1/
腰・お尻・股関節を無理のない範囲で動かす
腰痛があると「なるべく動かさないほうがいいのかな?」と思うかもしれません。しかし、腰痛によって日常生活の活動量が減ると、体力や腰を支える筋力が低下し、悪循環につながることがあるとされています。日本整形外科学会でも、状態に応じた運動や体操を継続することが紹介されています。(joa.or.jp) 痛みが強くならない範囲で、腰だけでなくお尻や股関節もゆっくり動かしてみましょう。
引用元:日本整形外科学会 https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/lumbago.html
デスクワーク中にできる簡単なストレッチ
「運動する時間がなかなか取れない」という方は、仕事の合間に短時間のストレッチを取り入れる方法もあります。日本理学療法士協会の資料では、椅子に浅く座って膝を伸ばし、股関節から上半身を前へ倒す、もも裏のストレッチなどが紹介されています。(japanpt.or.jp) 強く伸ばす必要はなく、「気持ちよく伸びる」程度を目安に行うことが大切です。
引用元:日本理学療法士協会 https://www.japanpt.or.jp/about_pt/asset/pdf/Enjoy%20Your%20Life_adult_one_page_2026.pdf
椅子やクッションなど座る環境を見直す
「姿勢を直しても、すぐ元に戻ってしまう」という場合は、椅子やデスクなどの環境にも目を向けてみましょう。職場での腰痛対策では、作業方法だけでなく、体への負担を考えた作業環境を整えることも重要だと言われています。椅子の高さが合っているか、足裏が安定しているかなどを確認し、必要に応じてクッションを補助的に使うのも一つの方法です。(jisha.or.jp)
引用元:中央労働災害防止協会 https://www.jisha.or.jp/
痛みが強くなる動作や無理なストレッチは避ける
「腰痛にはストレッチがいい」と聞いて、痛みを我慢して伸ばしていませんか。腰痛にはさまざまな原因があり、安静にしても軽くならない痛みや、脚のしびれ・力の入りにくさ、発熱などを伴う場合もあります。こうした症状について日本整形外科学会は、自己管理だけで済ませず医療機関で確認するよう案内しています。(joa.or.jp) セルフケア中に痛みやしびれが強くなる場合も、無理に続けないようにしましょう。
引用元:日本整形外科学会 https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/lumbago.html
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椅子に座ると腰が痛いときは病院へ行くべき?
「座っていると腰が痛いけれど、もう少し様子を見ても大丈夫?」と迷う方もいるでしょう。腰痛の多くは深刻な原因によるものではありませんが、症状の経過や腰以外に現れている変化によっては、早めに医療機関で確認したほうがよい場合もあります。特に、しびれや筋力低下、排尿・排便の異常などを伴う場合は注意が必要と言われています。
痛みが続く・繰り返す場合は原因を確認する
「少し休めば楽になるけれど、座るたびにまた痛くなる」という場合は、我慢を続けないことが大切です。済生会では、腰や背中の痛みが長期間改善しない場合や、生活に支障が出るほど痛みが強い場合には、医療機関で確認することが勧められています。痛みの強さだけでなく、いつから続いているのか、どんな動作で出るのかも伝えられるようにしておくとよいでしょう。
引用元:済生会 https://www.saiseikai.or.jp/medical/symptom/waist_backpain/
お尻や脚に痛み・しびれがある場合
「腰だけでなく、お尻から脚までジンジンする」という症状がある場合もあります。足のしびれは、腰部脊柱管狭窄症や腰椎椎間板ヘルニアなど、脊椎に関係する病気でも生じると言われています。腰痛と一緒にしびれが続いている場合は、「座り方が悪いだけ」と自己判断せず、原因を確認することが大切です。
引用元:日本整形外科学会 https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/paralysis.html
脚に力が入りづらい場合
「立ち上がったときに脚へ力が入りづらい」「以前より歩きにくくなった」といった変化にも注意しましょう。腰の病気によって神経が影響を受けると、脚の痛みやしびれだけでなく、筋力低下が現れる場合もあると言われています。普段と違う力の入りにくさを感じた場合には、痛みがそれほど強くなくても医療機関へ相談することを考えてください。
引用元:京都済生会病院 https://www.kyoto.saiseikai.or.jp/pickup/2022/09/post-35.html
排尿・排便の異常などがある場合は早めに医療機関へ
腰痛に加えて、「尿が出にくい」「尿が漏れる」「排便の状態がおかしい」といった変化がある場合は、通常の腰痛と同じように様子を見るべきではありません。脊椎の病気では、症状が進行すると膀胱や直腸の働きに影響が現れることがあると言われています。このような症状が出た場合は、早めに医療機関で確認してもらうことが重要です。
引用元:日本整形外科学会 https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/thoracic_disc_herniation.html
腰痛で来院する場合は何科を選ぶ?
「腰痛は何科に行けばいいの?」と悩みますよね。腰や背骨、筋肉、神経など運動器の症状は、基本的に整形外科が専門になります。横浜市立みなと赤十字病院でも、整形外科では脊椎や脊髄、骨盤、関節など幅広い運動器疾患を扱っています。椅子に座ると腰が痛い状態が続く場合や、脚のしびれなどを伴う場合は、まず整形外科で相談する方法があります。
引用元:横浜市立みなと赤十字病院 https://www.yokohama.jrc.or.jp/medical_part/med/orthopedic-surgery/
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監修者みやがわ整骨院 院長 宮川 晃司日体柔整専門学校 卒業
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