筋膜性腰痛の症例概要
来訪者
今回ご紹介するのは、神奈川県旭区にお住まいの13歳の男性で、中学校に通いながら野球部で活動しており、授業中に長時間座っていると腰に痛みを感じるようになったことから、みやがわ整骨院へ来院されました。
普段から野球部の練習に参加しているため体を動かす機会は多いものの、学校生活では授業によって座っている時間が長くなり、その時間が続くにつれて腰の張りや痛みを感じやすくなっていたとのことです。
特に本人にとって大きな心配となっていたのが、腰の状態によって大好きな野球の練習を休まなければならなくなることであり、できるだけ部活動を続けながら状態を改善していきたいという希望がございました。
成長期の体は筋力や柔軟性のバランスが変化しやすいうえ、学校生活とスポーツ活動という異なる負担が重なることもあるため、腰だけを見るのではなく、姿勢や股関節、下半身の状態まで確認することが重要になります。
症状
主な症状は、授業などで長時間椅子に座っている際に生じる腰の痛みで、座り始めてすぐに強く痛むというよりも、同じ姿勢を続けて授業の後半になるにつれて腰の張りや痛みが気になるという状態でした。
一方で、野球部で日常的に体を動かしていることから、腰だけに負担の原因があるとは限らず、股関節や殿部、大腿部など、野球の動作で繰り返し使われる部位との関連も考えながら状態を確認する必要があります。
実際に体を確認すると、前屈した際にも腰の痛みが現れており、座っているときだけではなく、腰から股関節にかけて動かした際にも負担がかかりやすくなっている様子がみられました。
そのため、痛みが出ている腰だけに施術を集中させるのではなく、長時間の座位姿勢とスポーツによる体への負担という両面から、筋膜性腰痛につながっている要素を整理していくことにしました。
来院時の状態
来院時には前屈時に腰の痛みがあり、姿勢を確認したところ脊柱側弯もみられたため、体を正面から見たときの左右差だけでなく、動作時にどのようにバランスが変化するのかについても確認しています。
加えて、股関節の柔軟性が低下しており、殿筋や大腿部には筋緊張がみられたことから、下半身が十分に動きにくくなった結果として、日常生活や野球の動作で腰が負担を受けやすくなっている可能性も考えられました。
特に股関節は歩く、走る、しゃがむ、体をひねるといった動作に関係する部位であり、その可動域が低下すると腰が動きを補う場面が増えるため、腰の張りや違和感につながる場合があります。
さらに、体幹を内側から支えるインナーマッスルの筋力低下も確認されたため、筋肉の柔軟性だけを整えるのではなく、姿勢を支える力を高めていくことも必要な状態と考えました。
改善目標
本人が最も希望していたのは「野球部の練習を休みたくない」ということであり、単純に腰の痛みを軽減するだけではなく、学校生活と部活動をできる限り両立できる体の状態を目指すことを改善目標としました。
そのため、授業中に長時間座っていても腰への負担が集中しにくい姿勢を身につけながら、股関節や下半身の柔軟性を高め、野球で体を動かした際にも腰だけに負担が偏りにくい状態を作る方針です。
ただし、13歳は成長期でもあるため、強い刺激を加えることを優先するのではなく、その時々の体の状態を確認しながら筋肉、骨格、神経、体幹機能を総合的にみていく必要があります。
本人にも現在の体の状態や姿勢について分かりやすく伝え、自分自身でも腰に負担のかかりにくい姿勢を意識できるようになることを、施術と並行した目標の一つとしています。
初回の状態と確認したこと
来院時の症状
初回来院時には、長時間の授業で座っていると腰に痛みが出ることに加え、体を前へ倒す前屈動作でも腰に痛みが現れており、日常生活と運動の両方に関係する動作を確認する必要がありました。
具体的には、股関節の柔軟性が低下しているだけでなく、殿筋や大腿部にも筋緊張がみられたため、腰そのものの状態だけではなく、骨盤から下肢にかけての動きが腰に与えている影響についても確認しています。
筋肉は単独で働くのではなく、複数の筋肉や関節が連動しながら一つの動作を作っているため、股関節や大腿部の動きが小さくなると、その不足分を腰部が補いやすくなる場合があります。
そのうえ、インナーマッスルの低下もみられたことから、座位姿勢を長時間維持するための体幹機能が十分に働きにくくなり、授業後半になるほど姿勢が崩れて腰への負担が増えていた可能性も考えられる状態でした。
状態のチェック内容
初回は病態検査と整体検査を行い、現在の腰の痛みがどのような動作で現れるのかを確認するとともに、姿勢の歪み、関節の可動域、筋力、左右のバランスなどを複数の視点から確認しました。
病態検査では症状の出方や動作との関連を確認し、整体検査では腰だけではなく骨盤、股関節、下半身を含めて体全体の動きやバランスをみることで、負担が集中している部分を整理しています。
特に姿勢の確認では脊柱側弯がみられたため、立っている状態だけで判断するのではなく、前屈などの動作を行った際に左右の動き方がどのように変化するのかについてもチェックしました。
あわせて可動域テストでは股関節を中心に関節がどこまで動かせるのかを確認し、筋力テストでは体幹を支える力や下半身との連動性をみながら、長時間の座位姿勢を維持するために必要な機能について評価しています。
検査の所見
検査では、筋肉の柔軟性低下、関節可動域の低下、筋力低下、姿勢不良、バランス力の低下が確認され、一つの要因だけではなく複数の状態が重なって腰への負担につながっていると考えられました。
なかでも股関節の柔軟性低下と殿筋、大腿部の筋緊張がみられたため、下半身を動かす際に本来必要な動きが十分に出にくく、その不足を腰部の動きによって補っている可能性が考えられます。
同時に、インナーマッスルの筋力が低下していることで姿勢を安定させにくくなっており、授業中に座っている時間が長くなるほど体幹を支えにくくなり、腰に張りや痛みを感じやすくなっていた可能性もあります。
こうしたことから、みやがわ整骨院では筋膜性腰痛に対して腰だけを施術するのではなく、股関節や骨盤周囲の柔軟性、体幹筋力、姿勢、日常生活での座り方まで含めて改善を目指す方針としました。
筋膜性腰痛へのアプローチ方法
提案した改善方法
今回の筋膜性腰痛に対しては、筋肉へのアプローチと骨格へのアプローチを組み合わせながら、神経の働きにも着目し、体全体が動きやすい状態を目指して施術を進めることにしました。
筋緊張が強くなっていた殿筋や大腿部については柔軟性を引き出すことを目的に施術を行い、股関節や骨盤周囲についても可動域を確認しながら、腰に負担が偏りにくい動きを目指しています。
一方で、施術を受けるだけでは学校で過ごす時間の姿勢までは変えにくいため、授業中の座り方について生活指導を行うとともに、自宅でも取り組めるストレッチを伝えることにしました。
加えて、低下していたインナーマッスルについてはEMSを活用した体幹強化を取り入れ、姿勢を内側から支える筋肉に刺激を加えながら、自分自身でも安定した姿勢を保ちやすい状態を目指しています。
アプローチの回数と頻度
施術は週1〜2回を目安として行い、1回あたりの時間は約30分としながら、学校生活や野球部の練習予定、腰の状態などを確認したうえで来院頻度を調整する方針としました。
部活動を休まずに続けたいという本人の希望があるため、練習を一律に制限するのではなく、練習後の張りや授業中の痛みがどの程度変化しているかを確認し、その時点で必要な施術内容を選択していきます。
ただし、成長期は体格や筋力の変化も大きいため、初回に決めた内容を毎回同じように行うのではなく、その日の柔軟性や筋緊張、可動域などを確認しながら進めることが大切になります。
そこで、施術による変化だけでなく、本人が授業中に姿勢を意識できているか、自宅でストレッチを継続できているかについても確認し、セルフケアと施術を組み合わせることにしました。
期待される改善内容
まず目指したのは、授業後半になると現れていた腰の痛みや張りを軽減し、長時間座っていても腰に負担が集中しにくい状態へ近づけることです。
そのためには、腰だけの変化を見るのではなく、股関節の柔軟性や殿筋、大腿部の筋緊張が改善し、骨盤周囲を含めてスムーズに体を動かせるようになることが重要と考えています。
さらに、EMSによる体幹強化と日常的な姿勢の見直しを組み合わせることで、長時間の座位でも姿勢を支えやすくなり、野球の練習時にも腰だけへ負担が集中しにくくなることが期待されます。
最終的には「野球部の練習を休みたくない」という本人の目標を大切にしながら、学校生活でも部活動でも腰の状態を過度に気にせず過ごせることを目指して施術を進めました。
施術内容と経過
施術の詳細
施術では、筋緊張が確認された殿筋や大腿部を中心に筋肉へアプローチしながら、股関節や骨盤周囲の動きを確認し、腰だけに負担が集中しないよう体全体のバランスを整えていきました。
特に股関節の柔軟性が低下すると、前屈や野球での構え、走る動作などで腰が必要以上に動きを補うことがあるため、関節の可動域を確認しながら下半身が動きやすくなることを意識しています。
神経へのアプローチについても、筋肉を単純に緩めるだけではなく、体を動かした際に必要な部位が連動しやすくなることを目的として取り入れ、施術前後には前屈などの動作を確認しました。
さらに、低下していたインナーマッスルに対してはEMSによる体幹強化を行い、表面の大きな筋肉だけに頼らず、姿勢を内側から支えられる状態を目指して刺激を加えています。
施術時間は1回約30分とし、週1〜2回の頻度を基本としながら、野球部の練習状況や学校生活での腰の状態を聞き取り、その日の体の状態に合わせて内容を調整しました。
患者様の反応
初回の施術では体へのアプローチだけでなく、授業中の座り姿勢について具体的に説明し、長時間座っているときに腰へ負担が集中しにくい姿勢を本人と一緒に確認しました。
これまで授業中の姿勢を強く意識することは少なかったとのことでしたが、座り方によって腰への負担が変わることを説明すると、自分でも姿勢を意識してみようという反応がみられています。
実際に施術と生活指導を継続するにつれて、本人からは「教えてもらった姿勢を意識して授業を受けます」との感想があり、施術を受けるだけではなく、自分の生活の中でも腰への負担を減らそうとする意識が生まれてきました。
※個人の感想であり、効果を保証するものではありません
特に13歳という年齢では、難しい専門用語だけで説明しても日常生活へ落とし込みにくいため、なぜ姿勢が大切なのか、どのような座り方を意識すればよいのかを分かりやすく伝えることも重視しています。
経過の確認
週1〜2回の頻度で施術を継続するなかで、2回目の施術後には腰部の動作時痛が大幅に軽減し、その後は残っていた張り感についても徐々に変化がみられるようになりました。特に初回には前屈時の右腰部痛が目立っていましたが、施術を重ねるにつれて動作そのものが行いやすくなり、仕事中に腰をかばいながら動く場面も少なくなっています。
一方で、痛みが軽減してからも歩行時には骨盤が歪んでいるように感じる感覚が残っていたため、腰部の状態だけで判断せず、骨盤周辺の動きや左右のバランス、体幹の安定性について継続して確認しました。歩行は腰や骨盤だけで行うものではなく、背骨や股関節、体幹などが連動することでスムーズな動きにつながるため、歩いているときの感覚の変化も経過を判断するうえで重要になります。
そこで、筋肉や骨格へのアプローチを継続するとともに、インナーマッスルの低下に対してEMSによる体幹強化を取り入れ、体を支える力にも働きかけていきました。加えて、ご自宅でも無理なく続けられるストレッチや姿勢の意識についてお伝えしたところ、施術を重ねるにつれて腰部の張り感が減少し、歩行時に感じていた骨盤の歪み感についても徐々に気になりにくくなっています。
その後も仕事や日常生活での負担を確認しながら施術内容を調整し、痛みが少ないからといって急に負荷を高めるのではなく、その時々の体の状態に合わせて進めました。その結果、当初みられていた右腰部の痛みは改善傾向を示し、腰まわりに感じていたこり感についても消失するなど、日常生活で体を動かしやすい状態へと変化しています。
特に患者様が目標としていた「仕事への支障を無くしたい」という点では、腰の状態を過度に気にすることなく仕事へ取り組める場面が増え、「仕事に集中できて有難いです」とお話しされていました。痛みそのものの変化だけではなく、仕事に対する不安が減り、本来取り組みたいことへ意識を向けられるようになったことも、今回の経過を確認するうえで大切な変化の一つです。
ただし、今回確認された脊柱側弯や円背、インナーマッスルの低下などは、腰部の痛みが軽減したからといって短期間ですべての課題がなくなるものではありません。そのため、今後は日々の忙しさや体の状態に合わせて来院頻度を考えながら、姿勢の改善や筋力強化、ストレッチなどのセルフケアを継続し、腰部へ負担が集中しにくい状態を維持していくことが大切になります。
今後もその日の体調や仕事による負担を確認しながら、ご自身でも体の変化に気づけるよう健康面を含めたサポートを続けていく方針です。
※個人の感想であり、効果を保証するものではありません







