肉離れとは?歩けるけど痛い状態は軽症なのか
「歩くことはできるけど、足を踏み出すたびにズキンと痛む…」
そんな状態になったとき、「肉離れかも?」と感じたことはありませんか?
肉離れとは、筋肉の繊維が部分的、あるいは完全に断裂してしまうケガのことを指します。
急な方向転換やダッシュ、ジャンプの着地などで発生しやすく、ふくらはぎや太ももの裏側に起こることが多いです。
「歩けるから軽症だろう」と思いがちですが、実はそうとは限りません。
肉離れは重症度によって3段階に分けられており、歩行可能でも中程度の損傷が起きているケースもあるのです。
引用元:日本整形外科学会
https://www.joa.or.jp
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肉離れの重症度と「歩けるけど痛い」の位置づけ
肉離れの程度は、一般的に以下の3段階で分類されます。
軽度(I度):筋繊維のわずかな損傷
筋肉の繊維がごくわずかに微細損傷した状態です。部分的な断裂には至っていないため、自力での歩行は問題なく行えることがほとんどですが、患部を指で押したり、筋肉を強く収縮させたりすると鈍い痛みが出ます。「なんとなく太ももやふくらはぎが突っ張る」「動かすとピリッとする」という違和感程度の症状が多く、軽視されがちです。
しかし、この段階で無理をして運動を続けると、さらに深い断裂へ悪化するリスクがあるため注意が必要です。
中等度(II度):筋繊維の部分断裂
筋繊維がある程度まとまって切れてしまっている状態です。患部には腫れや内出血(紫色のあざ)を伴うことが多く、皮下で出血が進むと時間の経過とともに痛みが強まります。
「歩けるけれど着地や踏み込みのたびにズキッと痛む」「階段の上り下りがつらい」と感じている方の多くは、このII度(部分断裂)に該当します。自力で歩行が可能だからといって放置すると、切れた筋肉が歪んだまま固まり、再発癖がつく原因になります。
重度(III度):筋肉の完全断裂
筋肉の連続性が完全に失われ、文字通りブチッと断裂してしまった最重症の状態です。受傷した瞬間に「プチッ」「バキッ」といった断裂音を本人が感じることもあります。激しい激痛と強烈な腫れのため、自力で足を地面につくことや歩行することは不可能です。
外見からも患部が不自然にへこんで陥没しているのが確認できます。この状態は筋肉を元の位置に縫い合わせる手術が必要になるケースもあり、一刻も早い医療機関への受診が必要です。
引用元:厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp
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歩けるけど痛いときにやるべき応急処置
肉離れの疑いがある場合、できるだけ早く適切な応急処置を行うことが回復を早めるポイントです。
まずは患部を安静にする
「痛いけれど歩けるから」と無理に動き続けたり、運動を再開したりすることは絶対に避けてください。肉離れを起こした直後の筋肉は非常に脆くなっており、負荷をかけ続けると損傷範囲がさらに広がり、部分断裂から完全断裂へと悪化するリスクがあります。痛みがある部位への荷重やストレッチを極力控え、日常生活でもエレベーターを使うなど、できるだけ患部を動かさない安静を保つことが最優先です。
氷や保冷剤で冷やす
受傷後48時間以内の急性期は、患部を冷やすアイシングが極めて有効です。冷やすことで毛細血管が収縮し、内部の炎症や痛みを抑えることができます。氷をビニール袋や氷嚢に入れ、必ず薄手のタオル等で包んでから患部に15〜20分程度あててください。直接肌に氷を当て続けると凍傷のリスクがあるため厳禁です。一度外して感覚が戻ったら、再び冷やす動作を数回繰り返すとより効果的です。
弾性包帯やテーピングで圧迫する
患部を弾性包帯やテーピング、サポーターなどで軽く圧迫することで、筋肉内の微細な血管からの内出血や、それに伴う腫れ(腫脹)の広がりを最小限に抑える効果が期待できます。内出血を抑えることは、その後の組織修復を早めることにも繋がります。
ただし、きつく巻きすぎると血流障害や神経圧迫を招くため、爪や皮膚の色が変わったり、痺れが出たりしない程度の適度な強さで巻くよう注意が必要です。
患部を心臓より高く上げる
横になれる環境であれば、患部を自分の心臓よりも高い位置に保つ挙上を行いましょう。重力を利用することで、傷ついた足に血液やリンパ液などの水分が過剰に溜まるのを防ぎ、腫れやズキズキとした拍動性の痛みを軽減させることができます。
就寝時や休憩時には、クッション、丸めた毛布、枕などを足の下に重ねて入れ、その上に足を優しく乗せて高く維持する姿勢をとるのがおすすめです。
引用元:日本臨床整形外科学会
https://www.jcoa.gr.jp
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肉離れで歩けるけど痛い場合にやってはいけないこと
回復を遅らせないために、以下のようなことは避けましょう。
痛みを我慢してストレッチする
「筋肉が突っ張るから伸ばせば治るはず」と思い、自己流でストレッチを行うことは絶対に避けてください。肉離れを起こした部位は、筋繊維が引き裂かれて生傷がある状態です。ここで無理に引っ張る刺激を与えてしまうと、せっかくくっつき始めていた繊維が再び引き剥がされ、断裂の範囲がさらに広がってしまいます。痛みが完全に引き、組織が修復されるまでは、良かれと思ったストレッチがかえって回復を大幅に遅らせる原因になります。
受傷直後にお風呂で温める
怪我をした当日から数日間の急性期に、湯船に浸かって患部をじっくり温めるのは厳禁です。肉離れの直後は皮下で激しい炎症が起きており、血管が傷ついて内出血が続いています。この状態で身体を温めて血行を促進してしまうと、腫れや内出血がさらに悪化し、強いズキズキとした痛みを増幅させてしまいます。受傷から少なくとも2〜3日の間は湯船への入浴を控え、ぬるめのシャワーでサッと済ませるのが安全です。
そのまま運動を続ける
「痛いけれどまだ走れるから」「動いているうちに痛みが麻痺してきたから」と、スポーツやトレーニングを続行するのは最も危険な行動です。初期はごくわずかな筋繊維の損傷(軽度)だったとしても、負荷をかけ続けることでブチブチと断裂が広がり、重症な中等度や完全断裂へと進行してしまいます。一度違和感やピリッとした痛みを感じた時点で、すぐに運動をスパッと中止して安静に切り替えることが、早期復帰への鉄則です。
引用元:日本スポーツ協会
https://www.japan-sports.or.jp
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肉離れの回復期間と再発を防ぐためにできること
肉離れの回復に必要な期間は、筋肉の損傷の程度によって大きく異なります。
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軽度(I度):筋繊維のわずかな損傷であれば、適切な安静によって1〜2週間程度で回復します。
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中等度(II度):部分断裂が見られる場合は、組織が修復されるまでに3〜6週間程度の期間が必要です。
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重度(III度):筋肉が完全断裂している場合は、2〜3か月以上の長期療養や手術が必要となるケースもあります。
「歩けるけど痛い」という状態であっても、皮下では組織の修復がまだ終わっていません。焦って復帰すると再発リスクが跳ね上がるため注意が必要です。
再発を防ぐためのポイント
肉離れは非常に再発しやすいケガですが、日頃の意識でリスクを大幅に下げることができます。
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運動前の丁寧なウォームアップ:筋肉の温度を上げて柔軟性を高めます。
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日頃からのストレッチ:筋肉の伸縮性を保ち、急な負荷に耐えられる身体を作ります。
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疲労蓄積時の無理を避ける:筋肉が疲れると衝撃吸収力が落ちるため、休息も大切です。
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段階的な負荷の引き上げ:痛みが完全になくなってから、徐々に運動強度を戻します。
筋肉の柔軟性と筋力が完全に元の状態へ戻るまで、ステップを踏んでリハビリを行うことが再発予防の鉄則です。
引用元:e-ヘルスネット(厚生労働省)
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp
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