顎関節症は、顎関節を構成する組織のどこかに炎症が生じた状態です。顎関節症になってから軽度でも放置すると、炎症は顎の局部だけにとどまらず、全身に広がる恐れがあります。
それは、肩こり、腰痛、目の疲れなど顎関節症の副症状として、他の身体の部位に症状が発症します。
このことから顎関節症を放置すると、2つのリスクがあります。
①顎関節症が重症化する
②副症状にも悩まされる
「そんな!たった顎1つの痛みが全身に広がるなんて!」と思われるかもしれません。
たとえば、肩こりの方は頭痛を引き起こしやすかったりします。理由としまして、肩こりは肩や首まわりの筋肉が緊張し、血流不足になることです。血流不足は、頭蓋骨(頭の骨)の筋膜(筋肉をつつむまく)にも影響を及ぼし、緊張性頭痛が引き起こされやすくなります。。
顎関節症も顎のズレで噛み合わせが悪化すると顔全体にあたる顔面骨格が歪みます。すると、頭からつながる頚椎(背骨の頭とつながる部分)が歪み、背骨が歪み、背骨とつながる仙骨や背骨を支える骨盤が歪みます。
身体は、1箇所が歪むと歪んでいない箇所が歪んだ箇所に合わせます。
顎が歪むと、結果的に全身が歪んでしまうということです。
顎関節症は、主症状も恐れるべきですが、副症状も危険をともなうわけです。本記事では、顎関節症の主症状と副症状を解説します。
顎関節症の主症状
顎関節症は、三大症状というものがあります。
・顎が痛む(顎関節痛・咀嚼筋痛)
・口が開かない(開口障害)
・顎を動かすと音がなる(顎関節雑音)
その他に顎関節症では、このような症状があります。
・口が左右に動かせない
・顎が外れることがある
・顎やその周辺に違和感がある
顎関節症の副症状
歯ぎしり・かみ締め癖
顎関節の位置がズレると、かみ合わせが気になったり、顎が位置を調整しようとして、歯ぎしりやかみ締め癖を引き起こします。
めまいや吐き気
顎関節症のめまいは、代表的な副症状の1つです。
顎関節に異常が生じて、平衡感覚をつかさどる中耳の側頭骨を圧迫することで、内耳(三半規管)に異常が起こります。
三半規管は身体の平衡感覚を保つ器官です。病院の検査で三半規管に異常がないのにめまいがする方は顎のズレが三半規管を刺激している可能性があります。
嚥下困難(えんげこんなん)
食べ物や飲み物の飲み込みに障害が生じることです。食べ物などがのどから胃に正常に通過できない状態です。
顎の位置が後方にズレると、喉がくの字となり、物を飲み込みづらくします。飲み込みに違和感を感じることもあります。
重症化すると、呼吸困難や手足のしびれがあらわれることがあります。
頭痛(筋緊張性頭痛)
顎関節症の頭痛は、顎を後ろに引っ張る筋肉の側頭筋が緊張して、緊張型頭痛を引き起こします。
顎の位置がズレると、顎の筋肉が周囲の筋肉に負担をかけます。そのとき、側頭筋にも負担がかかり、頭痛となるのです。
顎関節症の緊張型頭痛は、顎関節症が改善されない限り、頭痛が一時的にひいても再発する可能性が高いです。また、痛みが慢性化しやすいことも特徴です。
病院で頭痛を診てもらったときに、原因不明と診断され当院で検査したところ「軽度の顎関節症」が原因ということが判明したケースもあります。
顎関節がズレていても軽度であるため、顎関節症であることを本人は自覚がなく、頭痛になることがあります。
顎関節のズレで引き起こされる症状
顎関節のズレや度合いによって、顎関節に近い身体の部位に異常が出ることがあります。これを隣接臓器の疾患と呼びます。
基本的には、顎関節症が原因で顔面骨格が歪み、引き起こされる症状です。
鼻
鼻詰まりを引き起こします。顔面骨格の歪みは、鼻骨や鼻中隔の歪みにつながり、鼻腔が狭くなり、鼻呼吸がしづらくなり、鼻詰まりの症状となります。
歯
顎関節症で上顎と下顎にズレが生じて、噛み合わせが悪くなり、噛みしめや歯ぎしりが歯に負担をかけ歯並びを変えることがあります。
耳
顎関節は、耳の穴付近にあるため、耳の痛みを発症する場合もあります。耳よりも耳の奥で痛みを感じやすいです。耳の痛み、耳鳴り、耳詰まり、難聴を引き起こします。
目
顎周りの筋肉が緊張し、それが目周辺の筋肉に影響を及ぼし、目が痙攣したり、眼精疲労を引き起こします。目が乾きやすい、光が眩しく感じるようになった、充血、まばたきが増えたなど、目の不快感があげられます。
その他
顎関節がズレ、身体の骨格が歪み、筋肉の緊張が神経を圧迫して、首こり、肩こり、背中の痛み、腰痛の上半身に関わる症状を発症しやすくします。
以上、顎関節症の副症状とそれになる理由を解説しました。
他にも顎関節症の副症状はたくさんあります。具体的な病名や症状名でいえば、100を超えます。
治療家は、その中から検査や身体の状態から判断して、適切な専門的な施術を選択します。みやがわ整骨院は、顎関節症の知識や経験は他の医療機関に負けてはおりません。遠方からも歓迎です。
・顎関節症とは(種類と原因から適切な治療法とは)
・顎関節症の原因とは(最新の研究結果は噛み合わせでない)
・顎関節症と9つの副症状(症状名とその理由を徹底解説)
・顎関節症の再発を予防をするには(手遅れになる前に)
・顎関節症で注意してほしい8つのこと